主夫のぽぽ(@carp0p0)です。
刺激的なタイトルですよねー。とは言いながら私の考えていることでもあって、代弁してくれているような感じではありますが(笑)。
まさに男が働いていない真っ只中の主夫が読んでみたので紹介します。
著者の田中俊之さん
実は一度お会いしたことがあるんですよね。
昨年11月、新潟市の男女共同参画関係で学生相手にワールドカフェをしていただいたことがあったんですが、その企画に携わっていたんです。
そこでも男性学という観点から、いろいろな話を伺うことが出来ました。
印象的だったのはとにかくナチュラルな人だなということ。そしてユーモアな部分も交えながらの語り口は本書でも随所に現れていて読みやすくなっています。
実際、ワールドカフェ自体も学生たちから好評で、さすがだなと感じたのを覚えています。
何も考えずに働く男性
私自身も新卒で製薬会社に入社して、約10年間勤めましたが、就職活動中もはりあえずどこかで働かないとと必死でしたし、働き始めてからも働くことに関しては特に何も考えずに過ごしていました。
要するに思考停止状態でした。というか働かないなんて普通じゃないと思っていました。
男性学ではあるタイプの男性像を否定することで、理想的な男性像が維持される仕組みがあると考えます。まず「普通」があって、そこから外れたものが「おかしい」のではなく、逆に、何が「おかしい」かを決めて、「普通」が作り出されているということです。
まさにこんなふうに考えていたなと。
実際にはいろんな理由で働けない、あるいは働かない男性もいたにも関わらず、しかもそう考えていた自分が主夫になっているのは面白いものだなと思いますね。
働き方の『最低限』と『普通』
本書では男性特有の悩みから働き方の問題についても言及しています。
男性の働き方は週5日40時間が『最低限』で、それ以上が『普通』に求められます。この『普通』が『おかしい』と認識されないことが『問題』。
このことは男女関係ないことですが、特に男性には顕著に現れる傾向かもしれません。
弱音を吐くことが許されにくい雰囲気であったり、家計を担う『大黒柱』という意識を勝手に植え付けられ、とにかく仕事中心の生活。
もちろん、仕事中心の生活をしている男性が悪いというわけでは無いですし、そのことで人生がうまく回っているという人を否定するつもりは全くありません。
ですが、そういう生き方とは逆の生き方、私のような主夫や育休を取る男性、またバリバリ働く女性ももちろんいてもいいんですよね。
ぽぽ、考えた
私は現在、主夫をしています。まあ世間的に言うと『普通』とはかけ離れた生活をしていますよね。
この生活になるキッカケは自分自身が病気になったことですが、こういう風に生きていくと決めたのは、私自身です。
働く、働かないは自分が決める。
本書にもこう書いてあります。
あ、もちろん自分の周りの大切な人とはしっかり話をしないといけないというのは前提ですけどね。
私の場合も妻がこういう状態でもいいと認めてくれているから、生きていられるわけで、感謝の念は絶えません。
要するに、生活がうまく回っている状態であって、法を侵さないとか最低限のルールが守れているのであれば、どんな生き方を選んだっていい。
『男らしさ』という考え方はあってもいいけど、それが男性自身を傷つけるのでは本末転倒で、悩みや葛藤などはどんどん口に出してもいい。
『普通』って何?と考えることが男女の生きづらさや社会問題を解決する第一歩になるということだと理解しました。
この本の帯には、『若者男子を全面擁護』と書いてあります。
私も20代前半にこういう本と出会うことができればよかったなと。
もちろん、全世代の人、男性だけではなく女性にもおすすめできる良書ですよ。
書きたいこと、紹介したい部分はたくさんあったのですが、その辺は実際に手にとってもらえればと思います。
ということで今回はこの辺で!